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2006年 07月 23日
『 朝おきたら、首の左右に、 エラがありました。 えぇ-------! らぁ-------! さてっ、どうしたもんかっ……。 』 早いもので、トラボケも8回目です。 ボケは苦手なんで、今回も笑えない世界を・・・(^^ゞ ----------------------------------------------------------------- 遠くから歌声と音楽が聞こえてくる。 甲高いオンナ系の歓声、酒瓶が割れる音。 シャラシャラと硬質なモノがすれるような音が近づいてきて ふうわり、磯の香りが頬をかすめた。 俺はパチ、と目を開ける。 目の前にフワフワと揺れ動く女の平ったい顔があった。 「・・・いま何時だ?」 目覚めてみると部屋のなかは肌寒い感じで 俺は体にまとっていた白い布をもう一度、巻きなおした。 「何時だなんて」 ポコポコと泡のような声で、女は笑った。 「ここには時間など、ありません」 窓らしきものから、薄く青い光が差し込んではいるのだが ちっとも暖かい感じはしない。 日当たりが悪いせいか、部屋のなかはどことなく湿っぽく 壁を指で触れると、じんわり、水滴が浮かんでくる。 「もう、どのくらい、ここに?」 「忘れてしまいなさいな」 女は俺に液体の入った杯を手渡して、ニッコリと微笑んだ。 この液体は不思議な味がする。決して美味いものではない、なのに なぜか飲みたくなってしまう。体が欲している、という風なのだ。 俺は杯にクチをつけながら、妙に首のあたりがこわばっているのに気がついた。 「寝てばかりいるからかな」 「どうしまして?」 「なんだか、ここら辺が・・おかしな感じだ」 「あら」 女はぬるりと俺に流し目をしてベッドのふちに腰掛けてきた。 「寝てばかりでもありませんわ」 「・・・」 「ちゃんとワタクシを抱いてくれていますでしょう?」 杯を空けると同時に、女が波のように倒れこんできた。 時間の感覚も地に足をつける感覚も ずいぶん前に失ってしまったような気がする。 毎日毎日、女たちと戯れ 俺は一歩も部屋から出ずにただただ液体を飲み続けた。 「なあ、俺はいったい、いつからここにいるんだ」 「いつからですって?」 「どうやって、ここに来たんだ?」 「そんなこと、、忘れたほうがいいわ」 「・・・そうか、・・・・もういいよ」 その日、初めて女からの杯を拒んでみた。 一瞬、表情を曇らせた女は、だがすぐに笑って言った。 「かまいませぬ。もう十分ですもの」 「十分・・?」 「ええ。そこに、ホラ」 水のように揺れる鏡を、女は差し出した。 鏡をのぞいた途端、すべてを思い出していた! 俺はたしかあの日、大亀にのってここにきて ・・・・・・ 鏡のなかに映った俺の頬の横には 大きな赤黒いエラが脈を打っている。 驚きのあまり声の出ない俺を見て、女はスルリと衣を脱ぎ捨て 銀白色に輝く尾びれを巻きつけてきた。 「これで、いつまでも一緒ね・・・ウラシマさん」 ■□■□■□■【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■ 【ルール】 お題の記事に対してトラックバックしてボケて下さい。 審査は1つのお題に対し30トラバつく、もしくはお題投稿から48時間後に お題を出した人が独断で判断しチャンピオン(大賞)を決めます。 チャンピオンになった人は発表の記事にトラバして次のお題を投稿します。 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)、 同一人物が複数のブログで1つのお題に同時参加するのは不可とします。 企画終了条件は 全10回終了後、もしくは企画者が終了宣言をした時です。 参加条件は特にないのでじゃんじゃんトラバをしてボケまくって下さい。 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 企画元 毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/ ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ アメブロからど~してもTBできず・・・ こっちから送ります。 水天宮 2 「気がついたら、あの女と一緒に寝てたんだ」 先輩のウラシマさんは、煙草に火をつけながら唸った。 「二人とも素っ裸でよ、言い逃れできないじゃん?」 「覚えてなかったんですか?」 「その前の晩、確かに店に行ったってことは覚えてたさ」 紫煙をくゆらせる。 「だけどな・・・そこから先はまったく記憶にない」 俺はその日、珍しく競馬で穴を当てた。 懐具合はいつもより温かだったってわけだ。 気が大きくなってたんだな、普段は通りもしない飲み屋街をふらついてた。 そこで、喧嘩に巻きこまれちまった。 鈍そうな男が、数人のチンピラに囲まれて 殴る蹴るの乱暴をされてたんだ。 「た、助けてください」 男は鼻血を流しながら、俺に向かって走ってきやがった。 おいおい、勘弁してくれよ、、、そう言う前に チンピラどもは俺たちを取り囲んじまって。 「すんません、俺、何も関係ないんですけど」 「わかってるよ、兄さん」 チンピラのリーダー格の奴が鼻血野郎の首をつかんで 俺から引き剥がそうとするんだが 男は、亀のように首をすくめて、俺の体にぴったりと貼りついてやがる。 「あの・・何があったか知りませんが」 「あんん?」 「もしも、、これで勘弁してもらえるなら」 俺は財布を取り出した。 チンピラどもは急に態度を変えて、微笑みながら財布を受け取った。 「おお、お兄さん、こんなに?」 「よかったら、それで・・」 「こちらの方に感謝するんだな。命拾いしたぜ」 空になった財布を俺に投げ返して、チンピラどもはようやく離れていった。 上着の内ポケットのなかには、今日、馬で当てた金が入っている。 そっちを取られる前に、財布を渡したってわけだ。 ぶるぶる震えている男の肩を俺は軽く叩いた。 「おい、もう行っちまったぜ。」 「・・・あ」 鼻血を拭いながら、男は俺の顔を見上げた。 「ありがとうございます!この恩は一生忘れません」 「わかったよ、よかったな」 「あの」 「何だ、まだ何かあるのか?」 「もし良かったら・・遊んでいかれませんか?」 「・・?」 男は、客引きのカメダだと名乗り、 クラブ「竜宮」へ、俺を連れて行った。 「助けていただいたお礼です。サービスさせていただきますよ」 その店は、ビルの地下にあって、すげえ急な階段を下りていくんだ。 暗くて、階段を踏み外しそうになりながらカメダについて行った。 「おい、この階段、帰りは無事に上がってこられんのか?」 「さあ・・。上がってくる方は、店の女の子がお見送りしますんで」 ヒョコ、とカメダは首をすくめる。 「竜宮」は薄暗く、空気が少し澱んでいるようだった。 けど、店の女はすばらしい美人揃いで、申し分なかったね。 カメダがひとりの女に耳打ちすると、たちまち数人の女が 俺に群がってきて、酒をすすめだした。 「もうすぐ、ママがくるから~」 ぼんやりとした照明のなか、キラキラと光る服の女たちが 舌っ足らずな口調でささやきながら、次々に美味い酒を注いでくれるんだ。 いい気持ちに酔っ払ったころ、ママが来た。 「カメダを助けてくれたんですってね。ありがとう」 それが、あの女、乙姫との最初の出会いさ。 「で、その後の記憶がない、と」 「そーゆうこと!」 「乙姫さんと・・・寝ちゃったってことですか?」 「わからねえ。だけど、気がついたら、一緒にいた」 「で、どうしたんです?」 「記憶が無くなったのはな、そのときのことだけじゃないんだ」 「?・・・と言うと・・?」 「すっかり記憶がなくなってた。俺がどこの誰なのか」 「記憶喪失???」 うなずいたウラシマさんは、煙草をもみ消した。 「そうさ。きれいさっぱり、記憶が消えてた。それにな」 「それに?」 「服も何もかも、身に着けてたものが無くなってて・・」 「すっかり?」 「すっかり、俺を知る手がかりも無くなってた、ってわけだ」 気がついたら、乙姫の部屋で裸で寝ていた。 「危なかったわね」 女は俺の頭に手を当てた。 鈍痛が走る。 「どうしたんだ?俺・・・」 「酔って、階段を転げ落ちちゃったらしいわ」 「あの階段を?」 「そうみたい。私が駆けつけたときは、倒れてて・・・」 「いま、何時だ?」 「さあ?」 女は酒をグラスに注いだ。 「迎え酒」 グラスを俺に手渡して、自分も酒のグラスを持つ。おいおい、乾杯かよ。 「帰らなきゃ」 「どこへ?」 「どこって・・・」 どこだ? 頭がズキズキ痛む。 「どこだったっけ・・・」 「送るわ。住所は?」 「住所・・・」 頭を抱え込む俺に、女の声は冷たかった。 「どこの誰かもわかんないの?」 それから、俺と乙姫の生活が始まったってわけだ。 「竜宮」で女と遊び放題だったが、ママの乙姫は何も言わなかった。 酒と女の日々。まさにパラダイス。 あっという間に時間がたってしまってた。 だけど、俺はある日、気がついたんだな。 女たちが俺に寄ってくるのは、カメダや乙姫の差し金じゃなくて 俺が好きだからなんだってこと。 「ウラシマ、ここの水があってるんじゃない?」 「そーよう、この商売、やってみたらいいんじゃない」 何人もの女にそう言われたら、俺もその気になっちまう。 で、あるとき、乙姫に言ったんだ。 「俺・・・ここを出るよ」 「出るって?」 「今まで世話になっておきながら、悪いんだけど」 「どこに行く気?」 「あのさ」 店の客のなかに、この辺のホストクラブの経営者がいて そいつに誘われていることを、思い切って、切り出したんだ。 「・・・そう」 乙姫は目を伏せて、俺の話を聞いていた。 「わかったわ。いつか、こういうときがくるって思ってた」 そして、黒い小さな箱を差し出したのさ。 「これ、、お別れの時がきたら渡そうと思ってたの」 「ちょっと待ってくださいよ」 「うん?」 「それって、、、、ふたを開けたら煙が出て・・」 「爺さんか?」 ウラシマさんは、可笑しそうに答えた。 「俺もそう考えた」 「開けてみたんですか?」 「開けてみた」 「竜宮」の女たちからたくさんの餞別をもらって 俺は、乙姫の部屋からひとり立ちをした。 新しい部屋に落ち着いた夜、乙姫から渡された黒い小箱を取り出して ゆっくりとフタを開けた。 箱の中には、封筒と、時計や免許証や財布や定期券・・・ 俺の身元がわかるものが入っていた。 封筒の中には、手紙と、いくらかの現金。 あの晩、俺が競馬で当てた金だった。 記憶がたちまちのうちに蘇ってきたね。 煙が出て爺さんになったわけではなかったが 俺の失われていた時間は、確実に戻ってきた。 手紙には、、、乙姫の気持ちが綴られていたよ。 あの日、助けられたカメダは 乙姫本人だったってことも。 ウラシマさんは店のNO.1だ。 「乙姫さん」は、ときどき、彼に会いにくる。 決して美人ではない。 ちょっと目には、男性にも見える姿をしている。 いつも静かに微笑んでいて、ほかの女のように嫉妬したりしない。 乙姫さんは、ウラシマさんを愛しているに違いない。 同じ世界に引き込んで こうして、いつでも会えるようになったことで十分なんだろう。 二人の間に、多くの言葉はない。 言葉は泡のようなものだって、 見つめる二人の瞳は いつも、そう語っているように思える。 水底での御伽噺のように。
by sofia_ss
| 2006-07-23 00:03
| トラバはぁる
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Comments(32)
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ponpon4774 at 2006-07-23 00:14
かえっておじいさんになってかわいそうという
幼少のころのトラウマが払拭されました ありがとうございます!
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kozutuming at 2006-07-23 07:41
こうやって海岸を散歩してた人が拉致されてたんだー (違!)
よろ○び組に囲まれては、殿御は帰りたくないでしょね (だから違!)
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t2mina at 2006-07-23 10:14
やっぱ、いろっぽ~~~~い^_^;
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e--mi at 2006-07-23 17:42
とても幻想的で色っぽいですね~どきどき。
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104hito at 2006-07-23 18:37
そふぃさんって尾びれがあるのね(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブルブルブル
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MemenDers at 2006-07-23 23:16
うーらしまさんうらしまさん、おこしにつけた きびだんご♪
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sofia_ss at 2006-07-24 12:01
ponpon4774さん、トラウマ払拭できましたか~~^^
きっと、昔話の浦島太郎は、強引に別れ話をすすめちゃったんでしょうね・・。姫だろうと、女の恨みは怖ろしいのです☆
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sofia_ss at 2006-07-24 12:04
こづつみさん、昔っからあるんですね~~(違
乙姫はやはり、あのお方なんでしょうか・・(だから違!
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sofia_ss at 2006-07-24 12:06
ミナさん、作者本人は全然色っぽくないのに
不思議です~~~
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sofia_ss at 2006-07-24 12:08
e--miさん、どきどき体験できましたか?うふふ♪
エラができちゃったウラシマさんはかなり心臓バクバクですね、きっと・・
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sofia_ss at 2006-07-24 12:10
ヒトさん、私に尾びれがあるわけないでしょ!
あー、尾びれがあるのに、なんで抱けるの?とか 細かい突っ込みはナシですよ (^^ゞ
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sofia_ss at 2006-07-24 12:11
めめんさん、御伽噺って、いろいろ想像が尽きませんね~^^
お水の世界で、もう一個。
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ho_neko at 2006-07-24 17:34
う~む、テンプレのところまでで、もう十分感心していたのに、続きがあるなんて。
見事です。さすが上手いですね~。
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katuo0076 at 2006-07-24 21:37
ご参加ありがとうございます。
尾びれまである時点てとりあえず、プラス100ポイントです。 ああ〜、プラス100ポイント連発してる鴨知れませんっ。 おああ〜。
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sofia_ss at 2006-07-24 22:30
ho_nekoさん、ありがとうです。
続きと言いますか、浦島太郎の話が水商売の話になんだか似てたので・・ 昔話って、いろいろ解釈ができますね^^
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sofia_ss at 2006-07-24 22:33
カツオさん、大変ですけれど、審査よろしくお願いします~
水天宮 2 は、締め切りの後ですし、まったくトラボケになってないので 無視しちゃってださい。プラス100p、嬉しいっす!(*^_^*)
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osarudon1 at 2006-07-25 12:45
いい話です。
同じカメダでも、あの3兄弟だったらチンピラをボコボコにしそうですが(笑)。
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bucmacoto at 2006-07-25 18:41
おもしろかったです。 特に尾びれ。
カメダといえばおせんべい。 夫悲鳴と言えば逆DV。 < ちと意味ふ?
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sofia_ss at 2006-07-25 22:58
osarudon1さん、ありがとうございます^^
あ~、そういえば、あの兄弟もカメダでしたね・・・ またちがうお話になってしまうかも、です☆
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sofia_ss at 2006-07-25 23:01
ばくまこさん、カメダのあられ、おせんべいは美味いですねぇ~
これは男が絡められて虐げられちゃうお話なんでしょか^^
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naritto at 2006-07-25 23:06
ハードボイルドな感じでカッコイイです。
鰹さんには是非テンプレ後も含めて審査して欲しいような。 >すげえ急な階段~ なんかリアル・・・。
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sofia_ss at 2006-07-26 23:05
narittoさん、ハードボイルドな浦島さんも見たい感じです^^
急な階段とか、リアルですか?覚えアリ・・・と・・メモメモ〆
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as-o2 at 2006-07-29 22:10
なんか艶っぽい作品ですねー。
前半と追加部分が、同じ話なのだけれど、まったく違うオチというか。。 楽しませていただきました^^
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sofia_ss at 2006-08-02 00:27
as-o2さん、ありがとう~^^
ボケができないのに、ついついTBしちゃいます。 艶ボケってことで・・・えへへ
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tana_suna at 2006-08-02 21:07
前半でも十分満足なのに、後半のこの出来。
素晴らしいです。大人な世界を堪能しましたー。
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sofia_ss at 2006-08-03 13:28
tana_sunaさん、ありがとうございます^^
終了の10回まであとわずかですね。 なんとか一度はボケてみたいのですが・・・ボケって難しい~~~(>_<)
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midnight_egg at 2006-08-21 01:32
うーん、うっかり今頃読んでます。
前回まったく巡回してないんで。まあ今回もしていないんですが。 2が断然いいですね、いいですよ。
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sofia_ss at 2006-08-21 09:48
たまごさん、ありがとう~^^
ひとつ書くと、いろいろ刺激されるもんですね♪
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at 2006-09-16 21:05
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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sofia_ss at 2006-09-16 21:52
鍵さん、ありがとうございます!
不都合なんてありません~~~
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at 2006-12-02 15:25
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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sofia_ss at 2006-12-02 23:14
鍵さん、ありがとうございます^^
久々の労働なので、夜は早く寝ちゃってます。 体調は大丈夫ですよ~ 年末は忙しくなりそうです☆
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